
『契約書管理のよくある質問シリーズ』
契約書管理の「よくある質問」にお答えします!
今回は、「基本契約書と関連契約書はどうやって紐づけて管理したらいいか」です。
<この記事からわかること>
・どのような契約書も「1契約書ごと」に管理
・契約書の原本記載通りに台帳を作成
・プラスα:契約書の区分と基本契約書の管理番号を補足として追記
“1契約書”として管理する
「取引の基本契約書と契約条件や期間変更などの覚書の関連契約書をどうやって紐づけて管理したらいいのか?」の疑問にお答えします。
鈴与からのおススメは、「基本契約書であっても、関連契約書であっても、それぞれ“1契約書”として管理すること」です。
1契約ずつ、管理番号を振り、ファイルへの格納も、台帳も1契約書ずつ作成することを推奨しています。
この場合の台帳のイメージはこのような状態です。
このように管理することで、後々の管理がラクになるというメリットがあります。
基本と関連を1つにまとめて管理している状態とは
対して、「基本契約書と関連契約書をまとめて管理する」場合は、関連するものをまとめてファイリングし、台帳も1つに集約して記載する方法があります。
こちらは、時系列含めてよくわかり、網羅性があるというメリットがありますが、メンテナンスの手間というデメリットもあります。
台帳は1つに集約されていますので、基本契約締結後に、契約期間を覚書で延長した場合、契約期間を都度、変更する運用をしていることが多いです。
契約書を確認する頻度はどれくらい?
1つにまとめ管理する方法、これは、かなり手間がかかる方法でもあります。
契約書が発生してから台帳の修正/ファイリング作業といった“メンテナンス“に掛かる手間と、契約書を確認する頻度はどれぐらいあるかを天秤にかけて考えるといいです。
例えば、今ある契約書、全て参照することはあるでしょうか?
契約書3,000件を保有しているお客様にヒアリングすると、多くても週1回、平均すると月数件ということがほとんどです。
ということは、3,000件あるうち、確認する事があるのはごく一部となります。
であれば、管理は極力、手間をかけないほうがいいのでは?というのが鈴与の考えです。
原本に記載のある通りに管理
一番楽な方法は、基本契約書であろうと関連契約書であろうと、それぞれ一つの契約書として管理することです。
台帳は、このようなイメージです。
台帳は、1行ずつ作成し、原本に記載のある通りに入力します。
ここで心配なのは、「契約期間を延長する覚書を締結したので、基本契約の契約終了日も修正した方がいいのでは?」という疑問です。
こちらは、「原本に書いてある通りに」をお勧めします。
覚書の締結にあわせて、基本契約の情報を変更するというのは、先ほどの1つにまとめて管理するときのメンテナンスの手間とさほど変わらなくなってしまうからです。
また、1件ずつ登録してあると「この契約書がどれに関連しているかわからない」という際、上記の台帳の状態になっていれば、契約相手先の会社名で絞り込んで検索をすれば、関連するものすべてが表示されますので、心配ありません。
プラスα 区分と基本契約の管理番号を補足
しかし、同一の取引先と複数の契約書を締結することが前提の場合、先ほどの検索では該当するものが数十件単位となってしまいます。
そこで、台帳に「契約書の区分」と「紐づく基本契約の管理番号」を追記すると管理しやすいです。
この契約書が基本契約書なのか、関連契約書なのかの契約書区分と関連契約書のとき、どの基本契約書と紐づくのかが判別できるよう基本契約書の管理番号を追記すると、必要な情報が探しやすくなります。
例えば、相手先の会社名(例:A社)で絞り込み、基本契約書の管理番号(例:100)でさらに絞り込みをすれば、確認したい契約書を一覧で表示させることができます。
今回の「基本契約書と関連契約書はどうやって管理したらいいか」はいかがでしたでしょうか。
個別事情でわからないことがあるなど、お困りのことがございましたら、鈴与までお問い合わせください。