2015.03.26

  • 文書管理

文書の廃棄は計画性が大事 ガイドを作成して全員で取り組もう!

こんにちは。「鈴与の文書情報管理」ライターチームです。
文書管理の実施には不要文書を残さない習慣づくりが必要です。そこでまず行いたいのが、今ある不要文書を廃棄すること。自分のデスクはもちろん、キャビネットの中にも明らかに不要となった文書があるはずです。ただし廃棄作業は闇雲に行うのではなく、自社の廃棄基準に則って計画的に行うことが肝心です。

1.文書廃棄キャンペーンを設けよう!

かつて130万部を超える大ベストセラーとなった「捨てる技術」という本を覚えているでしょうか。この本では「とりあえずとっておこう」という思いを断ち切って、身の回りから不要なモノを減らして、快適かつ調和のとれた暮らしを実現させることを推奨しています。文書管理への取り組みは、まさしくビジネス文書の「捨てる技術」の習得から。おうちのタンスにしまい込んだ洋服ならリサイクルに出して再活用することも可能ですが、もう何年もキャビネットの奥で幅を利かせているビジネス文書(1年以上見ていない文書)は廃棄してもよいものと考えていいでしょう。

ここで大事なことは、会社全体あるいは各部門ごとに「文書廃棄キャンペーン」などを設けて、スタッフ全員で一斉に取り組むことです。個人任せにしていると、仕事を理由になかなか廃棄作業に取り組まない、あるいは片手間で済まそうとする人が出てくることが考えられますし、実施日を区切って一斉にやった方が作業がはかどります。また、ある人にとっては不要に思えるような文書であっても、別の人にとっては大事な文書だったり、個人管理の書類の中に契約書や見積書など法定保存年限が決められている文書が紛れているかも知れません。したがって廃棄すべきか否かの判断は、多少の手間がかかっても部門長はじめスタッフの総意のもと行うことが大切です。ただし、法定保存年限が決められた文書については部門長判断で廃棄の判断が出来ない場合もあるため、保管・廃棄の是非は管理部門が行いましょう。

アメリカのナレムコ(国際記録管理協議会)の統計では、事務員が参照する文書の約90%は半年以内に作成された文書で、1年以上前に作成された文書を参照する確率は1%以下という結果が出ています。

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2.まず、廃棄する文書のガイドを作成

廃棄を行う場合悩むのが「廃棄すべき文書」と「残すべき文書」の線引きです。そこで、スムーズに廃棄作業を進めるために、先に記したアメリカの専門機関の統計なども踏まえ、あらかじめ独自の「廃棄文書ガイド」を作成することをお勧めします。ガイド作成のポイントは、以下のような項目が考えられます。

廃棄文書ガイドの項目例

  1. 社内連絡文書など一時的な事項が記された文書
  2. 原紙とは別にコピーされ複数部残されている文書
  3. 業務報告書など用件が既に過去のものとなった文書
  4. 提案書やプレゼン資料などの作成時の参考文書 ←案外これが多いはず!
  5. 社会的環境や技術進歩などにより内容が陳腐化した文書
  6. 古いカタログやパンフレット類

保管・保存すべき文書ガイドの項目

《キャビネットで保管》

  1. 継続案件の資料文書
    (オリエンシートや直近のプレゼンシートの原紙、設計図面・変更図面など)
  2. 現行製品やサービスのパンフレット類 (裏付けとなる作成資料も含む)
  3. 現行案件の顧客名簿

《書庫や倉庫で保存》

法的に保存年限が定められている文書
(契約書、請求書、領収書、商業帳簿及び営業に関する重要書類、製品の製造、加工、出荷、販売の記録、終了案件の顧客名簿等)

当然ながら、業種や業態によって扱う文書に違いがあるため、上記の項目例はあくまでも一般的な「目安」になります。ただ、いかなる業種・業態であっても法的要請がある文書以外は「すべての文書は廃棄対象」という前提に立って取り組むべきです。多くの場合、文書を残すことに重きを置いているため不要な文書が溜まっていくのです。「いずれ使うだろう」という思いで残していても、結局キャビネットの肥やしになっている。そうしたケースが少なくありません。したがってガイドの作成時は、そのあたりのことも留意しながら廃棄基準を決めていくことが大切です。また、機密文書を廃棄する場合の取り扱いや、分別の仕方についても、ガイドの中で明確にしておくことが望ましいでしょう。

3.文書廃棄の習慣化は長期的視野で

年末の大掃除でデスクまわりをスッキリ片付けて「これからは小まめに整理をしよう!」と決心しても、翌年のお盆時期にはすっかり元通り...。そんな方も少なくないと思います。オフィスに積もる不要なビジネス文書の山はこうした状況が何年も続いた結果と考えていいでしょう。そこで、年末の大掃除とは別に、年に1回、あるいは半年に1度、定期的にキャンペーンの実施日を決めて、不要文書を廃棄していくことが文書管理をスムーズに進める土台となります。

ただし、プロジェクトメンバーが「決めたことはしっかりやろう!」と声をあげても、スタッフ全員一致団結というわけにはいかないケースもあります。中には、1人や2人一匹狼的なスタッフがいて「オレ流」を主張するためになかなか足並みが揃わないということがあるでしょう。あるいは、初回は参加したけれど、2回目以降は無関心という人が出てくるかも知れません。それでもなお、根気よく続けることであらゆる仕組みは習慣化されるものです。社内で仕組みが習慣化されてしまえば、どのような個性を持ったスタッフでも無関心ではいられなくなります。大事なことは即結果を求めるのではなく、文書廃棄を年間スケジュールに組み込み、長い目で見て結果を求めることです。

次回のテーマは、必要文書を管理する「保管と保存」についてお届けします。

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