2019.02.09

  • 文書管理

スキャニングの効率を高める 事前準備とワークフロー

こんにちは。「鈴与のデータソリューション」ライターチームです。
スキャニングは、文書情報を業務に役立てるための有効な手段です。しかし、数枚の紙文書であれば特に問題はないかもしれませんが、大量の文書をスキャニングするとなると、その労力も大きなものになります。作業がスムーズに進行するように事前準備を行い、作業手順を整えるところから着手することをおすすめします。

大量の文書を扱うためには、準備が大切!

まずは、紙文書の保管状況のチェックや、スキャニング作業のテストを行います。

「どのような文書を、どれだけの量、スキャニングしなければならないか?」

「その作業には、どのくらい時間がかかりそうか?」

「どのような体制のもとで、作業を進めるか?」

などを、明確にしていきましょう。

基本的な進め方例

  1. スキャニングのニーズ(検索性を高めたい!情報を共有化して活用したい!)
    → 予算化検討(業務効率化で年間500万円分の時間がコア業務に使える!)
    → スキャニング作業担当を決定(総務部のA君なら書類にもPCにも詳しいから適任!)
  2. 対象文書の調査(重要度・種類・年月・保管状態別に実施しましょう)
  3. 入力作業テスト(1時間当たり何枚?画像品質は充分?)
  4. 仕様を決める(1冊単位でフォルダを作って、200dpiでスキャンしよう!)
  5. スケジュールと体制を決定(年末までに、担当者3名で完了させたい!)

ニーズと予算化

書類を探すのが毎日大変、書類が多すぎてスペースが無駄になっている、紛失したら大変、情報が共有できていないなど、困っていることが「ニーズ」です。

スキャニング作業には機材代や人件費などの費用、外部に作業を委託した場合は委託費用がかかりますが、長い目で見ると最終的には得られる効果のほうが費用よりも大きくなることが多いのです。

スキャニングを決心したら、次に担当者を決める必要があります。リーダーが居ないと実際にスキャニング作業を始めるまでの準備に時間がかかってしまいます。

対象文書を調査する

同じ枚数の文書でも、ステープラーで止められている、サイズや並び順がバラバラ、字の薄いものと濃いものが混在している、古くてボロボロになっているなど、保管の状態によって作業性が大きく異なります。状況によっては、文書の整理から始めなければなりません。

スキャニングする文書の量を把握しておくことも大切です。一般的な厚みのコピー用紙の場合、1cmの束でおおよそ100枚と見なします。

+1 Point!
文書の量が多い場合、優先順位をつけて必要性の高い文書からスキャニングを進めるという方法もあります。また、複数のバージョンの書類が残っている場合、最終バージョンのみをスキャニングするなど、文書を選定することで入力作業の負荷が少なくなります。
調査自体が大変な場合は、とりあえず全体の何%かの種類・年代別にサンプリング調査していく方法が有効です。

入力作業をテストする

スキャニング作業には、どのくらいの時間を要するのか。実際の文書を用いて試験的に入力を行い、時間あたりの入力可能枚数を予測します。処理能力が足りない場合、より処理能力の高いスキャナを導入したり、台数を増やすことも検討しなければなりません。

+1 Point!
スキャンして取り込んだデータの画質も確認しておきましょう。データの品質を統一させるために、どのような解像度、階調、ファイル形式、圧縮方法で保存するかの検討も重要です。

スキャニング仕様を決める

入力作業テストが終わったら、結果を評価していきます。例えば、作業スピードやコストを優先して200dpiでスキャニングした結果、細かい文字が読めなくなってしまう、モノクロで充分なのにカラー画像を作成した結果、サーバー容量が足りなくなってしまうなどの問題を考えながら本来の目的と活用をイメージして「品質・コスト・作業期間」のバランスのとれた仕様を決定する必要があります。

スケジュールと体制を決める

対象文書の調査と、入力テストの結果をもとに、いつまでに、どこまでスキャニング作業を進めるか、作業計画を立てます。その際、直接的な入力作業だけでなく、前作業や後作業にかかる時間も見込んでおく必要があります。文書の取り出しや受け渡し、戻す作業などに、思わぬ時間がかかることがあるのです。

+1 Point!
大量の紙文書をスキャニングするためには、大きな労力と時間がかかります。
「誰がその作業を担当するのか?」
「その担当者を、どのように教育するのか?」
「本来の業務に支障が出るのではないか?」
いざスキャニングを実行しようとする時、多くの企業がこうした問題に直面することになります。そんな中、外部の専門事業者に業務をアウトソーシングするケースが近年増えてきています。自社の従業員を膨大な作業にかかり切りにしたり、高価なスキャナに投資したりするよりも、結果として高いコストパフォーマンスを得られる場合が多いようです。

 

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電子データ保存のワークフロー

検索性を持たせることが重要!
では続いて、スキャニング(電子化)の手順をご紹介します。

※参考資料:JIIMA「新しい文書情報マネジメントの基礎と応用」

(1)前作業

分類や枚数、順番の確認を行う。クリップや付箋などは外し、破損箇所があれば補修しておきます。

(2)スキャニング作業+画像検査

紙文書をスキャナにてイメージ画像として読み込み、保存します。正しく読み込みができているか、目視で確認します。

(3)検索インデックス 【CHECK】

保存した文書を、後でかんたんに見つけられるように検索性を持たせます。

(4)電子署名+タイムスタンプ

電子データの作成者、電子データの作成日を証明するもの。電子データの「真正性」を証明する条件として有効です。必要に応じて、文書ごとに付与します。

(5)データの保存

自社のサーバーやクラウドなど、適切かつ安全な場所にデータを保存します。

(6)紙文書の保存または廃棄

各種法令や省令、社内規定などに則り、保存する必要がある文書は原本保存し、スキャニングにより原本が必要なくなった文書については安全な方法で廃棄します。

+1 Point
すぐに廃棄できない紙文書が多い場合、アウトソーシングにより外部施設で保管・保存する方法をおすすめします。
一見コストがかかるように思われるかもしれませんが、管理の煩雑さや保管スペースが軽減され、返ってリーズナブルになる場合も多く見られます。

スキャニングした文書を活用するためには、上記のワークフローの中でも
(3)検索インデックス」の工程が重要になります。文書情報をビジネスに役立てるために非常に大切なポイントですので、次回のブログにて、「文書に検索性」を持たせるということについて、詳しくご紹介していきます。

▶︎検索システムが文書の利便性を飛躍的に向上させる

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