2014.05.29

  • 文書管理

紙文書をスキャニングする前に知っておくべきこと

こんにちは。「鈴与のデータソリューション」ライターチームです。
紙文書をスキャニングして管理・活用することで、さまざまなメリットが得られます。

今回は、画像の品質とデータ容量との関係、ファイル形式、スキャナの種類など、文書をスキャニングするうえで知っておきたい基礎知識をご紹介します。

紙文書をスキャニングする利点とは?

コスト・利便性・セキュリティ・情報共有の4つのテーマから利点を説明します。

〈コスト〉
・保存場所をとらない
・離れた場所との文書のやりとりを迅速かつ低コスト(FAXや郵送代が掛からない)に行える

〈利便性〉
・多数の送付先へ手軽に文書を配信できる
・保管された文書の中から必要な情報を簡単に検索できる
・細かい文字を拡大表示して確認できるようになる

〈情報共有〉
・多彩なメディアでの表示が可能で、文書活用の可能性が広がる
・必要な情報を共有しながら蓄積することができる

〈セキュリティ〉
・バックアップにより文書情報の消失リスクを防止できる
・証跡を管理することで不正行為の検出・追跡ができる

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見やすく、扱いやすいスキャニングデータとは?
解像度とデータ容量の関係

紙文書をスキャニングするとき、用途に合わせて「解像度」を設定してください。解像度とは、原稿をどれだけの細かさで読み取るかを示すもので、dpi(dot per inch)という単位を用いるのが一般的です。1インチあたりにどれだけのドット(点)を表現できるか、という値です。解像度が高いほど、きれいな画像として読み込めますが、データ容量は大きくなります。

*1ドット=1bitです。容量をあらわす単位はバイト(byte)ですが、1バイト=8bitなので、1インチ平方に4万ドットで5000バイトになります。1024バイトで1キロバイト、1024キロバイトで1メガバイト、1024メガバイトで1ギガバイトです。2の10乗が1024になるので1つ上の呼び名は全部1024倍になっています。

必要以上に高い解像度に設定すると、読み込みに時間がかかったり、システム運用コストがかさんだり、データの受け渡しに支障が出たりする場合もあるため、適切なdpiに設定する必要があります。

目安として、一般的な文書では200dpi、細かな文字や図表、写真などを高精細に表示する必要がある場合は300〜400dpiに設定するとよいでしょう。ちなみに、人間の目の解像度(細かい線を何本も並べたとき、それが線だと見分けられなくなる限界値)は、500dpi程度だと言われています。

さらに、スキャニングデータの容量は、白黒やカラーなどの階調設定によっても変わってきます。

画像は圧縮をかけないと容量がとても大きくなります。スキャニング時に最適な圧縮方式の画像フォーマットを選ぶことが大事です。また、スキャニングしたデータをパソコンに保存する際のファイル形式にも、さまざまな種類があり、用途に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。

用途に応じた様々なファイル形式例

高品質な画像データとして活用・保存したい!
TIFF・EPSなど、高い画像品質を保つことのできるファイル形式

複数枚の文書をまとめて、手軽に編集したい!
PDFに代表される、多彩な編集機能がついた利便性が高いファイル形式

なるべくデータ容量を小さくしたい!
JPEGをはじめとする、圧縮レベルを指定して保存できるファイル形式

スキャナの選定と準備 アウトソーシングという選択肢も

ご存知のように、紙文書を画像データとしてコンピュータに取り込むには、スキャナが必要です。そのスキャナにも、用途に応じてさまざまな種類があります。

用途に応じた様々なスキャナタイプ

フラットベッド型
最も一般的なスキャナ。原稿をスキャナのガラス面にセットし、ガラス面の下にある読み取りヘッドが移動しながら画像データを取り込める。

シートフィーダ型
読み取りヘッドが固定されており、原稿の方を動かすことでスキャニングを行う。このため、長尺の原稿であっても全体を読み取れる。冊子などには適さない。

ドラム型
円筒型のドラムに原稿を巻き付け、高感度でバラつきが少なく、高精度・高品質の画像入力を行える。

オーバーヘッド型
原稿台とスキャナ部が一体となったタイプ。原稿の読み取り範囲が固定されるため、常に一定の大きさでスキャニングできる。製本された文書のスキャナなどに威力を発揮する。

ハンドヘルド型(モバイル型)
原稿のうえに手持ちの読み込みヘッドを当て、手でなぞるようにスキャンする。原稿の形態にとらわれず、その表面を読み込むことができる。

社内でスキャニング作業を行い、一定以上の品質を確保するためには、機器の選定と購入、適切な設定・操作を行うための作業者の育成が必要となります。また、スキャニングする作業はスキャニングだけではなく、前整理、スキャニング、検査、編集、インデックス作成など様々な業務で構成されており手間がかかります。

数枚の文書であれば問題はないかもしれませんが、大量の文書をスキャニングする場合、作業負担が大きくなり、本来の業務を圧迫してしまう可能性もあります。

文書のボリュームによってはスキャニング作業をアウトソーシングするという選択肢も検討すべきでしょう。自社でスキャニング作業を行う場合と品質・期日・コストを比較したとき、専門業者に依頼した方が、結果的に高いコストパフォーマンスが得られる場合も多いようです。

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